前略、桜も散った今日この頃皆様はどうお過ごしでしょうか。
私はいつもと変わらない毎日を送っていますが、周りは季節ぼけをしているようです。
むしろ若干名の頭にはまだ桜が咲いています。
いい加減どうにかならないかなとか思います。
いっそ忍術学園からあの一年生でも連れて来ようかなとか思います。

「組頭」
「ん〜もうちょっと待って」
「もうすでに半刻ほど待ってます」
「じゃああと一刻」
頑張れ私。こんなことは今までいくらでもあった。耐えられる、耐えられるはずだ。
ここで怒れば多分組頭の思う壺だ。
とりあえずお気に入りの店の新作せんべいでも食べて落ち着こう。

ぱりぱり

  ぱりぱり

熱いお茶を入れなおして一息つく。
「組頭」
「まだ一刻になってないでしょ」
こんな所だけはしっかりしている。
今ここでちゃぶ台とかひっくり返してしまいたい。
後が怖いけどやってしまいたい。
「組頭、今日は今日の予定は何でしたっけ」
「新勢力の敵情視察」
「分かってるんなら早く行きましょうよ。帰ってきてからでもいいでしょう。それ」
それとはさっきから組頭が真剣になって炊いているあんこ。
いい小豆を貰ったとか言って朝から真剣に炊いている。
おかげで甘ったるい匂いが部屋中に立ち込めている。
「駄目だよ。ここで火を落としちゃ台無しだ」
「そのあんこにかける情熱をもう少し仕事に向けてくださいよ」
「たいした仕事じゃないんだし、いいじゃない」
「じゃあ俺一人で行って来ます」
「それも駄目」
もう、なんなんだろうか。この大人。
自分も元服しているけど。もう三十路を超えた大人がこんなんで良いんだろうか。
いや、良くない。
「組頭、仕事してください」
「だからあともう少しだってば」
ここまで言っても動かないならもう諦めるしかない。
とゆうか疲れた。
それになんで急にあんこなんか炊いてるんだこの人は。
「なんで今なんですか」
考えるのも馬鹿らしくて直接聞いてみる。
「お前が前に言ってたでしょ。仕事の後に甘いものが食べたくなるなって」
言ったかもしれない。でもそんなの自分でも忘れる程前の事だ。
そんなことを覚えていてくれて、しかもこうやって自分のためにあんこまで炊いてくれるなんて…。
「良い上司でしょ?」
「……良い母親の様ですよ」
忍のなのに。人間の様だった。




(ってそんなことで絆されませんよ!?)
(………ちっ)
(舌打ちしないでくださいよ)